2026年10月の制度変更と還元率:変更前後の週次推計を比較
2026年10月1日に、ふるさと納税の制度の一部が変わりました。この記事では、何が変わったのかを総務省の資料で確認したうえで、 当サイトが毎週推計している還元率(返礼品の市場価格 ÷ 寄附額)のカテゴリ別の中央値を、変更の前と後で比べます。
下の表はすべて、当サイトの週次推計のデータから自動で作っています。毎週の更新で変更後の週が増え、表と比較の文章も最新のデータに置き換わります (最新のデータ: 10/31)。
還元率は下がるって本当?
返礼品の上限「3割」は変わっていない
返礼品の調達費用を寄附額の3割以下とする基準は、2026年10月以降も変更されていません。 総務省の資料では返礼品の上限3割について「変更なし」と明記されており、10月からの指定対象期間に向けた通知やQ&Aでも、返礼割合3割以下の基準は引き続き示されています。
出典:総務省「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)」(2026年3月24日)、 「ふるさと納税制度の適正な運用について」(2026年9月25日)、 「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&A 新旧対照表(R8.10.1〜)」
10月1日に変わったこと
総務省の資料で、2026年10月1日施行とされている主な変更は次のとおりです。
- 寄附金のうち、自治体が事業に使える額の割合を引き上げる。 最終的に60%以上とし、2026年の指定から段階的に適用します(R8:52.5% → R9:55% → R10:57.5% → R11:60%)。あわせて、使い道の公表を求めます。
- 「募集費用の総額を寄附額の5割以下」とする基準を削除する。上の割合の基準を設けるのに伴う変更です。
寄附金のうち事業に使う割合が段階的に高くなると、裏返しとして、返礼品の調達費用や送料・ポータルの手数料などの経費に回せる枠は小さくなっていきます。 そのため「還元率が下がるのでは」と言われています。ただし、返礼品そのものの上限(3割)は変わっておらず、 経費の中でどこを減らすかは自治体ごとに異なるため、返礼品の価値にどの程度影響するかは、この変更の内容だけからは決まりません。
出典:総務省「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)」(2026年3月24日)
当サイトの推計では
変更前(8/1〜9/26、9回分)と変更後(10/3以降、5回分)で、 カテゴリ別の中央値の平均を比べると、肉・海鮮・果物は下がり、米・日用品は上がっています。全体として下がったとは言えません。
ただし、変更後はまだ5回分しかありません。推計は毎週36〜50件、カテゴリごとに4〜14件の推計値の中央値で、 1週ごとの振れが大きく出ます。また、9〜10月は新米の出回りや果物の収穫期の切り替わりと重なるため、季節による動きと制度変更の影響を分けることはできません。 この比較から、制度変更が還元率を変えたという因果関係までは言えません。
変更前後の比較
各週のカテゴリ別中央値を、期間ごとに単純平均した値です。
| カテゴリ | 変更前の平均 8/1〜9/26 | 変更後の平均 10/1以降 | 差 |
|---|---|---|---|
| 肉 | 59.1%(9回) | 58.0%(5回) | -1.1pt |
| 米 | 47.4%(9回) | 54.1%(5回) | +6.7pt |
| 海鮮 | 62.4%(9回) | 47.1%(5回) | -15.3pt |
| 果物 | 59.3%(9回) | 53.7%(5回) | -5.6pt |
| 日用品 | 49.0%(9回) | 52.1%(5回) | +3.1pt |
週ごとの推移
各週のカテゴリ別中央値と、その算出に使った推計値の件数(n)です。件数が数件のカテゴリは、1〜2件の入れ替わりで中央値が大きく動きます。 10/1以降の週は「変更後」です。
| 週 | 肉 | 米 | 海鮮 | 果物 | 日用品 |
|---|---|---|---|---|---|
| 8/1 | 61.6%n=11 | 46.7%n=5 | 69.4%n=12 | 59.5%n=12 | 52.0%n=5 |
| 8/8 | 61.6%n=11 | 44.8%n=6 | 63.6%n=12 | 56.0%n=13 | 38.9%n=7 |
| 8/15 | 58.9%n=13 | 51.1%n=5 | 64.9%n=12 | 65.4%n=10 | 51.5%n=5 |
| 8/22 | 63.0%n=9 | 47.0%n=6 | 60.0%n=13 | 55.9%n=11 | 39.8%n=5 |
| 8/29 | 53.6%n=11 | 48.4%n=7 | 58.3%n=10 | 57.5%n=10 | 51.6%n=5 |
| 9/5 | 59.9%n=9 | 43.8%n=6 | 60.0%n=11 | 58.0%n=10 | 52.7%n=5 |
| 9/12 | 57.4%n=9 | 49.8%n=6 | 67.8%n=11 | 62.3%n=11 | 54.1%n=5 |
| 9/19 | 61.2%n=8 | 46.8%n=9 | 56.9%n=10 | 59.0%n=11 | 49.8%n=5 |
| 9/26 | 54.3%n=7 | 48.2%n=7 | 61.1%n=11 | 59.7%n=10 | 50.8%n=5 |
| 10/3 変更後 | 55.3%n=7 | 61.4%n=5 | 53.7%n=11 | 50.0%n=9 | 53.0%n=4 |
| 10/14 変更後 | 54.3%n=11 | 52.0%n=8 | 51.5%n=14 | 55.0%n=8 | 51.6%n=5 |
| 10/17 変更後 | 62.0%n=10 | 54.2%n=9 | 32.0%n=12 | 53.1%n=7 | 57.7%n=6 |
| 10/24 変更後 | 65.5%n=9 | 49.7%n=10 | 47.5%n=13 | 50.3%n=9 | 55.5%n=5 |
| 10/31 変更後 | 52.8%n=11 | 53.0%n=10 | 50.8%n=13 | 60.0%n=9 | 42.8%n=7 |
2026年10月10日の週は、集計処理の停止によりデータがありません。
この比較を見るときの注意
- サンプルが小さい: 推計の対象は楽天市場に出ている人気上位の返礼品で、毎週40件前後、カテゴリごとに数件〜十数件です。ふるさと納税全体の平均ではありません。
- 推計値である: 還元率は、楽天市場の通常商品の価格から当サイトが推計した値です。算出方法は還元率の算出方法で公開しています。
- 季節の影響と分けられない: 新米の出回りや果物の品目・収穫期の切り替わりで、制度と関係なく中央値が動きます。
- 当サイトの推計方法も10月に見直した: 10月中旬に内容量の読み取り(桁区切りの数字、「約500g〜1,000g」のような範囲表記)を改善し、10月26日には推計還元率15%未満を照合ミスとして除外する条件を加えました。 15%の条件は、品目データが残っている7月16日以降のすべての週に遡って集計をやり直しています。読み取りの改善で結果が変わった品は、確認できた範囲では1件で、その品は15%の条件で集計から外れています。
還元率の意味や計算方法はふるさと納税の還元率(返戻率)とはで整理しています。
※制度の内容は、総務省の資料(上記の出典)で確認できた範囲だけを記載しています(2026年10月時点)。推計値は楽天市場の公開データをもとにした当サイトの独自推計で、特定の返礼品や自治体への寄附を推奨するものではありません。
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